エンジニアリング組織論への招待 〜不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング 1-5 輪読会感想 経験主義と仮説思考

 
 

経験主義と仮説思考

(ざっくり要約です)1-5章では、何事も経験しなければわからないという立場の経験主義と、最初に仮説を立ててから進んでみようという仮説思考の話が初めに出てきました。その後、近代の経験主義的の「考えれば必ず答えが出る」という部分に疑問を呈しました。最後は、考えても答えの出ないものの(=本書のテーマである不確実性)の例を示して観測しうるものへの対処を中心にしていく話が出ました。
 
本章はここまでの内容を要約したような章だった。
 
特に印象に残ったのは、
変化を「観測」できないものは間接的にですらコントロールできる可能性がない。
とバッサリ切ってくれていた点です。
 
どうしても人の気持ちや思っていることは、自分の力で変えられるんじゃないかと考え、壁にぶつかり辛くなってしまうこともあります。この考えが唯一正しいわけではないですが、そういった観測できないもので無理をするよりも、前章にあった自分の気持ちを明確に伝えることや、相手の見えるものを変えようとしてみることが大切だと感じました。
 
あなたが、そして私たちが、何か問題に出くわしたときにできることは何でしょうか。それは、今まで見てきたように、「コントロールできるもの」を操作し、そして、「観測できること」を通じて、その結果を知識にすることだけです。 私たちは、つい、何か問題に出くわすと、「コントロールできないもの」を操作して、「観測できないもの」を改善するという不可能な問題設定を行ってしまいます。加熱した堂々巡りの会議や、無意味な意見対立の背後には、このようなそもそも解くことのできない問題設定があります。